今回は精練のお話。9月の個展ではシルク,麻,ウール,和紙を織り込んだかなりイレギュラーな交織織物を発表します。絹糸にはもともとセリシンというシャリシャリした成分がついていて、そのまま織ると「オーガンジー」や「すずし」といった張りのある織物になります。絹ならではのしなやかさは「精練」という工程が必要で、山形の鶴岡の工場にお願いしました。何層にもなった 大釜には95℃の温度に設定された洗剤入りのお湯がたっぷりと用意され、まるでゆったりお風呂にでも浸かるかのように生地が入れます。
Madoka Shinji